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「マリカー」暴走に見る日本の著作権意識のチャイナ化 #AppStore定点観測 2/26

   

「マリカー」と聞くと猿楽庁の前身が思い起こされておりましたが、ここ数日でもう「マリオカート」のことしか思い起こされなくなりましたが、皆さま週末をどのようにお過ごしでしょうか。

どう考えても違法行為なのに、告訴でしか動いてもらえない罪がいろいろあります。名誉毀損とか器物損壊とか強姦とか。警察署に泣きながら駆け込んでも、軽くあしらわれて法テラス紹介されたりして。やられた人が弁護士立てて民事に訴えないといけなくなります。

著作権法も日本はそれに該当します。街中で公然と犯罪が行われていても、無関係な私たちは眉をひそめて通り過ぎるしかありません。

そして、被害を受けた会社の法務部が人手と時間と費用を掛けて、弁護費用や裁判費用のリスクを負って立ち向かわないといけないのです。

やったもん勝ち。稼いで逃げたもん勝ち。

国内の知的財産に対する一般的な認識はこの程度です。

例えばこんなアプリ。明らかに他社キャラクターのタダ乗り(フリーライド)です。

スペースインベーダー、ストリートファイターのガイル、忍者くん、パックマンのモンスター、ドラクエのスライム、キン肉マンのロビンマスク……ほとんどのユーザーは元のキャラクターの魅力によって購買行動を起こすでしょう。

でも、これが現行法ではセーフなのです。元のキャラクターの権利者が時間を掛けて具体的にどの表現が権利侵害であるか調査をして提示したり、匿名(特にApp Storeでは)アカウントである開発会社を調べたり、あるいは内容証明等で照会したりと、非常に煩雑な業務が発生したところで、せいぜいApp Storeから削除されるだけ。そして削除されても、また別の個人アカウントでコピーアプリが復活します。もし相手が対抗措置を取ってきた場合、ゲームに無理解だったり批判的な裁判官によって同一性が認定されずパロディー扱いで無罪放免になる可能性だってあります。

やられた側には時間、人、費用的なリスクがあるが、やる側には怒られれば消せば良いだけ、とほとんどリスクがない。そして皆がはじめて見るオリジナルキャラクターで真っ当にやるより、遥かに儲かるという構図。

まさに被害者泣き寝入り、やったもん勝ちの世界です。

知的財産に関する日本の法整備は、誰もが恐れるウォルト・ディズニー・カンパニーの知財部門と較べて、数十年以上遅れているのが現実です。

そして、街へ出れば無許可のキャラクターカートが微笑みながら公道を疾走し、ビックサイトや秋葉原へ行けばテレビアニメの女児キャラクターがセックスをしている二次著作本が無許諾に販売され、インターネットを通じて手軽にコピー音楽やリッピング動画やパクリゲームアプリと言った違法コンテンツを入手できる環境で成長した子供たちが、そのままのリテラシーで毎年毎年、社会へ大挙して輩出されてまいります。

そしてこう言うでしょう。

「私たちのサービスは、お客様の笑顔のために(ならば何をやってもいいと)あります。」

2007年頃、中国のパクリ遊園地が、日本のメディアで取り沙汰され「日本じゃ考えられないことだ」と笑い飛ばしました。それから10年、日本の公道でまったく同じことが起きています。

もはや笑い飛ばされているのは、私たち日本人なのです。