目に見える、リワード広告利用アプリはどれだけ減ったのか? そして今後の展望 #AppStore定点観測 7/25

目に見えるといえば今日は所用で渋谷まで行ってまいりましたが、駅でも、道すがらでも、あきらかに『ポケモンGO』を起動している人ばかりで仰天しておりました。そんな中「おこづかいアプリ」を一人で起動する私の孤独感はとても大きかったです。
遡ること3か月前、ゴールデンウィーク直前のリワード広告は大盛況でありました。リワード広告を使用して不正にランクインしているアプリに赤枠を付けて皆さんに周知しておりますが、4月28日の1位〜100位はもう真っ赤な血みどろのApp Storeランキングになっていました。
こちら、ゆっくりとご鑑賞ください。
もう血の吹き溜まりですね……。
この日をアップトーキョーでは「2016年最大の猛威」と呼んでおりました。
それもそのはず、リワード広告のランキング不正操作アプリを除外して消してしまうと、100位にいた『LOFT』アプリが43位となるのです。実に57アプリが不正に100位以内にランクインしたアプリでした。
信じられないと思いますが、このような状況が当たり前の数年間だったのです。
本来ならば総合ランキングの50位より上にいて、本当はもっとダウンロードされ、さらに順位を上げ、利用者が増えて収益化されたはずのアプリが、お金で操作されたニセモノのランキングによって、不正行為を行っていないアプリが被害を受けていました。
さらにこれは各カテゴリランキングにも影響を与えます。アプリカテゴリで25個、ゲームカテゴリで18個もある各カテゴリランキングの上位が、中高生にアマゾンギフト券を配ってダウンロードしてもらっただけの不正アプリによって占拠されていたのです。
まさしく一部の不正業者のせいでApp Storeは汚染された深刻な状況であったことが記憶に新しいかと思います。
さて、これらが6月から急激に減りました。おこづかいアプリのサービス終了も増えてまいりました。リワード広告利用アプリも減りました。そして先週末の『ポケモンGO』によるムーブメントで、ランキングに大変動が起きました。
たった3か月で、ランキングがどうなってしまったのか……ご覧ください。
トップ100位までにリワード広告利用アプリは23個。たった3か月でも57→23と半分以下に減るという斜陽っぷりです。このままうまくいけば、この傾向はもっと加速するでしょう。
「リワード広告がなくなると、ランキングが固定化されてつまらなくなってしまう」
リワード広告業者や利用者が自分たちを擁護するために良く使う言葉ですが、リワード広告のまだなかった2010年、こんなに素晴らしいアプリメディアが存在していたことを思い出してみてください。
「iPhoneアプリの売れ行きを左右するすごいブログ:日本経済新聞」
AppBankがこれほど注目されているのは、iPhone向けアプリを実際に万単位で売るパワーを持っているためだ。AppBankがアプリを取り上げるかどうかが販売実績にリアルに連動するという意味で、アプリ開発者にはすでに無視することができない存在となっている。
AppBankの影響力を示す例の1つに、「SmackTalk!」というアプリがある。当初はまったく無名だったが、昨年6月にAppBankが記事に取り上げるとダウンロード数が数万本まで上昇し、有料アプリのランキング上位に躍り出た。その人気はしばらく続いた。
「ダウンロードが数万本?……たいしたことないね、5万ブーストすればランキング20位台になってあっという間に倍は行くだろう」そんな風に思われるブースト脳な読者の方もいるかもしれません。
いいえ、よく読んでください。これ、「有料アプリ」のことなのです。
念のためですが、有料アプリをダウンロードしたユーザーがオーブをゲットできるキャンペーンをしていたわけではありません。
このブログは、iPhoneアプリの魅力をとことん面白おかしく紹介していただけなのです。
現在の無料アプリに置き換えたとすれば、1度記事がバズるだけで100万ダウンロードは堅かったという意味です。
メディアの皆さん、開発者の皆さん、リワード広告に欺かれてユーザをだまし続けてきた影響は、何より自分たちにあったのです。
アプリ紹介メディアを陥れて黙らせ、アプリ開発者にムダ金と不正行為に手を染めさせてきたのは、リワード広告がここまで成長してきてしまったからであります。
『ポケモンGO』のおかげで、ゲームの本来の面白さを体験してしまった中高生、そしてApp Storeへの信頼を失くしアプリへの興味を失っていた大人たちが、帰ってきました。
もう2度とないアプリブーム再来のタイミングが今なのです。ここでアプリの本当の魅力を、アプリの本当の楽しさをユーザーに伝えなくては意味がないではないですか。
このまま何もしないでいると、またすぐに出会い系アプリやエロパクリアプリ、グッディアのクソアプリや中華製アプリが総合ランキング10位以内にやって来て制覇する日が来てしまいます。
アプリ紹介メディアの皆さんは、楽しいアプリ、面白いアプリをまた全力で紹介してください。再びアプリに興味を持った読者が、必ず『ポケモンGO』の〝次〟を探しに訪れてくれます。
アプリ開発者の皆さんは、本当に面白いアプリ、役に立つアプリを全力で開発して、アプリ紹介メディアさんに記事にしてもらいましょう。プレスリリースを送ったのち土下座しに行ってもいいですし、記事広告にお金を払っても構いません。
こんな風に素晴らしいアプリ紹介や攻略記事を提供してくれるアプリ紹介メディアがまだまだたくさんあります。
そんなアプリ紹介メディアさんたちが今、再び活気付けば、ブーストなんてなくても100万ダウンロードの後押しができるようになると信じています。
リワード広告が死に瀕しているこの情勢で、広告会社やブーストアプリ開発者の顔色を伺う必要はもうありません。テレビやニュースでこんなにアプリが注目された直後です。いつやるの?今でしょう。
それでは、またいつか、どこかで、アップトーキョーでお会いいたしましょう!