【速報】インスタグラム、日本のApp Storeで5年と353日ぶりに総合10位に入る #AppStore定点観測 10/6

2010年10月6日に全世界で配信開始された「Instagram(インスタグラム)」は本日6周年を迎えました。
日本では配信開始から約2週間後の2010年10月19日に総合8位を記録。
AppAnnie
しかし次の日には13位へ下降してしまい、その後世界中でメジャーアプリへと成長する中で、日本国内でも地味にランキングを上げて行きますが、たとえローラがバズらせようと平子理沙が露天風呂からお送りしようと総合10位以内へ再び戻ることはありませんでした。
世界中で流行して、国内でも当たり前に利用されているアプリがどうしてランキング上位へならないのか?その答えを先にお知らせしておきます、そう「リワード広告」により日本だけApp Storeのランキングが操作されていたからです。
その異常さはAppAnnieさんの記録にも現れています。
AppAnnie
この表は無料総合ランキング(ダウンロードランキング)で、インスタグラムの最高順位が一定順位以上へ入った国の数を示したものです。
世界155か国すべての国で、最高順位が総合10位以内へ入っていることが分かりますね。さらに、総合5位以内へ入った国は155か国中、154か国あることが分かります。
たった1か国だけ総合5位へ入っていない国がある……お分かりですね、日本です。
国別の最高順位の表を見るとこの異常さにさらに驚きます。ほとんどすべての国で総合1位となっているのです。最下位となる日本の順位までをご覧ください。
アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、香港、オランダ、スイス、カナダ、台湾からアンギラ、アゼルバイジャン、マダガスカルに至るまで、世界130の国で総合1位を記録。さらにブラジル、中国、シンガポールなど18の国で総合2位、残るはハンガリー、ウクライナ、ネパール、韓国、レバノン、タイの6か国で総合3位となりました。以上、世界154の国すべてで最高順位がトップ3に輝いたド定番アプリ『インスタグラム』の輝かしい記録です。
……あっ!、1か国忘れておりました。我が日本の記録です。日本の最高順位は……えっ、総合8位……???
この理由は、日本人だけがカメラアプリに興味ないとか、ゲームばっかりやってるとか、世界中でも類を見ないほどシャイな性格で写真をシェアしようなんて考えもしない民族だとか、そんなことはまったく関係ありません。この世界の最高記録とくらべて5位もランクを落として最下位という異常事態の理由はたったひとつ、「日本だけApp Storeランキングが機能していないから」に他なりません。
それはなぜでしょう?日本における「成果報酬型広告」=「リワード広告」の市場拡大の歴史がすべてを物語っています。
・成果報酬型広告:主にアプリ開発者による自社アプリのプロモーション手法として提供されている、インストール課金型の広告商品を対象としています。プロモーション対象のアプリをユーザーがインストールすることに対し、ポイントなど何らかのインセンティブを付与する仕組みにより提供されます。
CyberZ社の調査では2012年にリワード広告はすでに112億円を超えています。1ダウンロード100円ブーストとして、この1年間に1億1千万回ものダウンロードが単なるおこづかい欲しさのためだけにムダにダウンロードされていたのです。その後も市場規模は拡大を続け2016年には178億円市場と予想されていました。1年間に1億7000万ダウンロードが水増しされるという驚異的な数字です。
これはCAリワードの堂前社長が朝日新聞の取材に語った内容からも裏付けられます。
サイバーエージェントの広告子会社 CA リワードの堂前紀郎(のりお)社長によると、日本で 2010 年ごろに広まったリワード広告は、今や年間 200 億円超の市場に膨らんだ。 牽引(けんいん)役は成長を続けるゲーム業界で、ほとんどの人気ゲームがリワード広告を利用して浸透を図り、大手ならば 1 作品で 1 千万円以上を使う。
朝日新聞「急増するリワード広告って? アップル、「追放」に注力」(2014/11/26)より
http://www.geocities.jp/ricky_mvc/news/y_asahi_12-15-14tp.html
「日本で2010年ごろに広まったリワード広告」は年間200億円市場に到達するほど猛威をふるっていたのです。だからこそ2010年10月6日に登場してから6年間、日本以外の世界中のすべての国でApp Storeランキングのベスト3に入っていたインスタグラムは、日本でだけ8位止まりであったのです。
これこそ、ユーザーにおこづかいをあげてダウンロードしてもらい、App Storeランキングを不正操作している唯一無二の国、日本の姿であります。そしてこの蔓延る欺瞞的取引が6年も続き、その間、世界中で流行し、定番化したアプリの上位ランクインが妨げられてきていました。
「日本だけ金で利用者をだまして人気もないアプリのランキングを操作している」、世界中の笑い者になったとしても、その当事者である日本のアプリ業界に関わる私たちはそれを笑い飛ばしてはいけない問題です。
そんな狂気と化した日本のApp Store。インスタグラム配信から6周年の今日この日に、6年前の10月19日以来となるインスタ史上2度目のトップ10内に入ることができました。さらにはトップ10内すべてのアプリに赤枠が付いていないこともお伝えしておきましょう。
上記CyberZ社によると178億円市場となる予測であった今年のリワード広告は、果たしてどう着地して行くのでしょうか?運命を共にしながらアップトーキョーは定点観測してまいりたいと思います。
まためでたく6周年を迎えたインスタ様におかれましては、平子理沙さん、水原希子さんに続く逸材を発掘して行っていただければ幸いでございます。